ホーム>でぶぶの考察シリーズ|阪神タイガース2025年ドラフト雑感(2025年10月29日更新)


でぶぶ的テキトー考察|阪神タイガース2025年ドラフト雑感


以前は毎年「ドラフト前予想」的な文章も書いていたのですが、色々と忙しいのとやる気の低下で6年連続でパスしてしまいました。今年のドラフト1位指名は、「多分立石内野手やろうけどな・・・」という感じで、「立石内野手の可能性70%」「小島捕手、平川外野手、松下内野手、小田内野手ら立石内野手以外の大型大学生野手の可能性20%」「高校生ナンバー1の石垣投手の可能性10%」という予測でした。


では今年のタイガースの指名選手を復習しましょう。


  
順位 名前 ポジション 出身
1位 立石正広 内野手 創価大
2位 谷端将伍 内野手 日本大
3位 岡城快生 外野手 筑波大
4位 早瀬朔 投手 神村学園高
5位 能登嵩都 投手 2軍球団・オイシックス
育成1 神宮僚介 投手 東京農業大北海道オホーツク
育成2 山崎照英 内野手 独立・兵庫


今年のドラフトは目玉らしい目玉は大学生の立石選手と高校生ながら最速158キロを投げた石垣投手くらいで、後は大学生野手が逸材揃い、佐々木麟太郎選手の指名が果たしてあるのかどうがという感じの前評判(前予想)だったと思います。


阪神の1位指名は大方の予想通り立石内野手でした。今ドラフトにおけるナンバー1野手であり、意外とレギュラーレベル野手陣の層が薄く、近未来の佐藤メジャー流出が予測される阪神にとっては(もしクジが外れていた場合でも)正しい選択だったと思います。クジ引きでは藤川監督が封筒を落としたり、名乗り上げを意外と溜めたりで少し(いらぬ)ドキドキしましたが見事引き当ててくれました。これで佐藤がメジャーに流出しても何とかしのげるのではないかと思っています。


反面、外れ1位の楽しみがなくなってしいました(笑)いつもクジが外れた後は次の入札まで「今まで誰が指名されとんや(誰が残っとるんや)」「阪神は果たして誰にいくんや」とドラフト雑誌を高速で読んでいたのですが、今回は穏やかな気持ちで外れ1位の抽選を迎えました。個人的には、立石内野手のクジを外した場合には平川外野手か小田内野手への入札を希望していました。阪神以外の1位指名では、(皆同じでしょうが)横浜の佐々木麟太郎指名はビックリしましたね・・・「可能性は極めて低いやろうけど、もしかしたらソフトバンクはあるかも」と思っていましたが、まさか横浜がぶっこむとは・・・今ドラフトを一番盛り上げたのは横浜でしょうね。


それ以外の1位指名では、外れ1位で2球団が平川外野手に入札したのは驚きでした「平川外野手こんな評価高かったんや!」という驚きです(セリーグの盛り上がりのために広島が引き当ててくれてよかったです)。オリックス1位の藤川投手も「まさか1位で名前がががるとは・・・」とビックリでしたね。横浜1位の小田内野手は「何か横浜っぽい選手が横浜に落ち着いたな」という感じがしました(笑)


個人的に阪神が獲得してほしかった選手・注目していた選手ですが、
・小島捕手(西武1位)・・・打撃フォームがカッコいい強打の捕手。立石内野手に入札しない場合は「小島捕手に入札する可能性が高いのでは」と思っていました。
・平川外野手(広島1位)・・・「地方大学リーグ」「抜群の身体能力」と柳田(ソフトバンク)を彷彿させます。広島でスターになってほしいですね!
・小田内野手(横浜1位)・・・「左打ちのずんぐりむっくり系の一塁手」と今までの阪神であれば、上位では絶対に指名しなさそうな属性の選手です。ただ、DH導入もあって「もしかすると外れ1位で阪神の指名あるかも」と思っていました。横浜で高い打撃センスは発揮できるのか、同じく期待された左打ち一塁手だった武内(ヤクルト)や中田亮(中日)のようにプロでは大成せずに終わるのか、かなり注目しています。
・エドポロケイン外野手(日本ハム2位)・・・「地元大阪」「身体能力お化け」ということで注目していましたが、まさか2位とは・・・。流石に2位で指名されると手が出ないですね・・・。ただ、日本ハムは万波外野手や水谷外野手など似たようなタイプがいますが、かぶってしまわないのでしょうか?(2人ともまだ若いですしね・・・)
・秋山外野手(西武3位)・・・新聞でも阪神の指名候補と話題になっていた選手です。前川(右京)が厳しそうなので左翼レギュラー候補として3位で秋山外野手を指名しても良かったのでは、と少し思っています
・櫻井ユウヤ(ロッテ4位)・・・今年は数少ない高校生の長距離砲です。2軍に長打を打てる若手がいないので2軍で中軸候補として鍛え上げるために指名してもよいのではと思っていました。
・堀越啓太(西武4位)・・・ロマン溢れる速球派投手です。「この順位で指名できるのであれば指名しほしかった」というのは正直ありますが、最近の阪神は「制球に難有タイプ」が結構苦しんでいる感じもしますので西武で正解だったかも(本人も西武ファンぽいし・・・)。
・知念外野手(巨人育成)・・・オイシックスの主軸打者。「この選手がドラフトで指名されないようであれば2軍球団の意義が問われる」と思っていたので、指名した巨人には「ナイス!」という思いです。
・笹浪外野手(四国徳島)・・・指名漏れ。独立リーグ屈指の打者で「どこが指名するんだろう」と注目していましたが・・・(年齢もあるでしょうが)レベルの高い四国リーグでこの成績を残しても育成にすらかからないとなる結構しんどいですね。
・山田健太内野手(日本生命)・・・やはり指名漏れ。ずっと注目しているのですが、指名無しでした(泣)大卒3年目で指名無しとなるともうプロは厳しいですかね・・・。スター性のある選手でプロで見たかったです。





以下各指名選手に対するでぶぶのテキトーな感想


1位 立石内野手

今年のドラフトの超目玉野手です。打撃だけでも目玉ですが肩と足のレベルも高いので超目玉です。本職は二塁ですが、中野がいる阪神では二塁で起用されることはないでしょう(遊撃中野・二塁立石というファイヤーフォーメーションはやらないと思います(笑))。26年は恐らく左翼か三塁(三塁の場合は佐藤が外野にまわる)で起用されるでしょう。「2軍で鍛えて」というレベルでもないと思うので、26年は1軍でレギュラーとまでいかずともそれなりに出場して経験を積む(大山や森下の1年目のイメージですね)、(恐らく佐藤がいなくなる)2年目からレギュラーとして出場という感じになればよいと思いますね。黄金時代などと言われたりしますが、阪神野手陣は意外とコアメンバー(近本・中野・森下・佐藤・大山)と控えの差が大きいので、コアメンバー候補の立石内野手の加入は非常に大きい。



2位 谷端内野手

正直予想外でした。ここで谷端内野手が指名されるなど微塵も思っていませんでした。残っていた有力投手(中日3位の篠崎投手とか西武4位の堀越投手とか実力派の社会人投手とか)か、まだ指名されていない有力大学生野手(噂になっていた中日3位の秋山外野手とか大学bP遊撃手とも言われていた大塚内野手とか)を指名するのかとも思いましたが、あまり自信はなく「いったいぜんたい誰が指名されるんだろう?」という状態でしたね。谷端内野手は打撃型の内野手で主にプロでの適性ポジションは三塁(大学では二塁も守っていますが、二塁はプロ1軍レベルではないかと・・・)かと思います。そうです1位の立石内野手と属性がかぶるんですよね。なので「まさか!?」の指名でした。ただこの指名から感じたのは佐藤(三塁手)の来季終了後のメジャー流出がかなり現実的なんだろうな、とういことです。再来年はDH制も導入されますし、立石内野手、谷端内野手という高い打撃能力を誇る即戦力に近い野手を指名し、来季1年で鍛え上げ再来年のDH導入と佐藤流出に備えるということなのかもしれません。



3位 岡城外野手

パンチ力、足、肩と三拍子揃ったアスリート型の右打ち外野手です。阪神外野陣は意外と守れる選手が少ないので期待大です。が・・・右打ちのアスリート型ですと甲斐選手(09年ドラフト3位)や江越選手(14年ドラフト3位)などを上位で指名しておりますが大成させることができませんでした(強いて言うなら広島に移籍後の赤松選手は成功例かもしれませんが・・・)。なので少し頭痛もしているのですが、今後こそ大成させてほしいですね。ヤクルト塩見選手の怪我をしないバージョンのような活躍を望んでいます。



4位 早瀬投手

高校野球の有名投手です。185センチとデカいです。まずは体作りからでしょうが、阪神2軍の先発ローテは意外とスカスカですので(スカスカと言うか期待の若手が少ない)早期の2軍ローテ入りを期待したいです。当面のライバルは茨木(22年ドラフト4位)、今朝丸(24年ドラフト2位)あたりでしょう。この順位でこの投手はなかなか良い指名だと思いました。



5位 能登投手

2軍球団オイシックスのエース投手です。イースタンでは最多勝、最優秀防御率、最多奪三振など(鵜呑みにできない2軍の成績とはいえ)圧巻の成績をあげました。阪神は去年育成3位で指名した(2軍球団で先発ローテ投手としてそこその成績を残したという能登と同じ属性の)早川がまずまず成功している(とりあえず1軍初勝利をあげた)こともあって能登投手の支配下での指名に踏み切ったのだと思います。ただ貴重な支配下枠を使っており、しかもクビになりやすい(イメージの)独立出身の選手だけに1年目からある程度の成績を残さないと1〜2年での戦力外もありえます。さて来季能登投手がどれくらいやれるのか・・・早川投手の成績ともども注目です。



育成 神宮投手

全く知りませんでした。トミージョン手術明けの投手ですね。右のサイドスローから球威のあるストレートが武器のようです。阪神投手陣は意外と変則投法が少ないので(暗黒時代はみんな変則だったのに・・・)2軍でそれなりの成績を残せば支配下登録はされやすいと思いますね。



育成 山崎外野手

関西独立リーグの走り屋です。24年に71盗塁、25年は51盗塁と狂った数字をたたき出していますが、全国の独立リーグの中でも比較的レベルが低いと言われる関西独立リーグでの数字なので実際に来季2軍での数字を見てみない限り山崎外野手の真の走力は不明です。もし2軍で1年目からこの数字の半分でも叩き出せるようでしたら植田(海)の後継者候補となれるかもしれません。なお、打撃に関しては独立リーグの成績を見る限り1軍レギュラーを目指すにはかなり厳しいように思います。






全体

上位3人の野手指名によって薄かった野手の選手層が厚みを増しました。1位で立石内野手を獲得できたことも含め大成功ドラフトだったと思います。ただ、素人目には確固たるレギュラーがいない遊撃手と梅野捕手と坂本捕手がベテランと言われる年齢になった捕手が補強ポイントかと思っていたのですが、プロの編成からすると違うということなんですね・・・。

1軍レベルで遊撃を守れるのは小幡、木浪、熊谷の3人のみ(強いて言うなら植田も)、1軍で売り出し中の高寺も本来は遊撃手ですが1軍の遊撃手としては厳しいように思います(1軍では二塁か外野でしょう)。遊撃手として獲得した山田、百崎、戸井、佐野の中で1軍で遊撃を守れる守備力がありそうなのは山田くらい、その山田にしても2軍での打撃は1割台です。やはり大塚(日本ハム3位)や宮下(横浜3位)などの大学生遊撃手や社会人の即戦力遊撃手を指名する必要があったのでないかと思ってしまいます。編成陣の小幡や山田(若手で1軍の遊撃レギュラー候補と言えるのはこの2人だけだと見ています)の評価がかなり高いのでしょうか。

捕手に関しては梅野と坂本が30代半ばに近づいていきます。フル出場させるわけではないので(梅野がFA移籍して坂本一人になったらヤバいです)、後数年は大丈夫でしょうが、その後のレギュラー候補と言える若手がいません。総合力の高い榮枝はその頃には30歳ですし、捕手陣随一の打撃力の中川は最早捕手として見られていないように思います。藤田、町田、嶋村らもどこまでやれるか・・・。ただ、もしかすると坂本らが一気に衰えたタイミングで即戦力捕手を獲得するつもりなのかもしれませんが・・・。


まあ文句を言いましたが、上位3人の大学生野手の来季の成績は非常に楽しみです(特に谷端内野手がどこまでやれるのか興味深いです、今まであまり阪神が指名してこなかったタイプだと思いますから。立石内野手はそのうち普通にレギュラーになるでしょうからね)。